No.1187

電力を使わずに雨水から純水を生成するシステム

ecowin ウォーター

ecowin ウォーター

概要

「ecowin ウォーター」とは、株式会社エコファクトリーが開発した雨水を電力を使わずに浄化し、純度の高い水にして貯水する無動力雨水純水化システム。電源不要で雨水から純水を造水できるため、災害などの長期の停電・水不足の備えに活用することができる。また、このシステムは、“電力に頼らない”という独自コンセプトに加え、防災・省エネ・循環型インフラとしての社会性や、災害時にも活用可能な自立型設備としての将来性が高く評価され、一般社団法人 建築設備綜合協会主催「第24回 環境・設備デザイン賞」において「優秀賞」を受賞した。

なぜできるのか?

雨水を使用して純水を生成する無動力雨水純水化システム

雨は太陽の力で海や川の水が蒸発し、雲となって生まれ、冷やされて雨粒となり、地上に降り注ぐ。この「天からの恵み」である雨水は自然の水循環によって生まれた水資源で、地下水や水道水よりも不純物が少なく、生活に適した貴重な水資源となっている。株式会社エコファクトリーが開発した無動力雨水純水化システムは、この自然の流れを生かし、雨樋から分岐して無動力(電源不要)で純水を作ることができる。既存建物の竪樋へ後付け設置が可能で、「遠心分離」「重力分離」「凝集分離」を組み合わせた独自構造により、高効率な雨水処理を実現している。さらに、0.5μmの精密濾過技術を採用し、外部検査機関による水質検査では、スケール原因となるシリカ含有量0.3mg/L未満を確認。設備利用や洗浄用途など、幅広い活用が可能。また、空調室外機への噴霧利用では、 約15%の省エネ効果を確認しており、 夏場の空調負荷低減やデマンド抑制対策にも活用されている。

無動力(電源不要)で雨水から純度の高い純水を造水、貯水

近年、猛暑の常態化や電力価格の高騰、災害の激甚化などにより、建築設備には「平常時」と「非常時」を分けずに機能することが求められている。このシステムは、「電力に依存しない設備は、社会インフラになり得るか」をテーマに開発され、雨水が高所から流下する際の位置エネルギーのみを利用し、電力・ポンプ・薬品を使わずに雨水を処理することができる。平常時は省エネ設備として節水による水道代の削減に貢献、非常時は生活用水確保を担う防災インフラとして機能する。生成された純水は水質検査によって高い水質が確認されており、生活用水などへの活用が想定されている。第三者機関による水質分析評価をクリアしており、水道水と比較した水質分析評価では、水道法に基づく各種項目の水質基準値を下回り、鉱物イオンなどの不純物が少ない「キレイな水」であることが検知された。

洗浄水として車や日常の清掃にも活用

水道水などに含まれる不純物は、車に生じる水滴の乾燥痕(ウォーターマーク)や、スケール(水垢のようなもの)を発生させる。水道水などに含まれるミネラルやイオンなどの不純物が少ない水を、一般に「純水」と呼ぶ。この純水には不純物がとても少ないため、これらが発生しづらくなる。そのため、とくに車や窓ガラスの洗浄にもおすすめできる。また、純水はミネラルやイオンが少ないため、ガラスや鏡などの洗浄に適しているため、普段の清掃にも活用することができる。

ecowinミストシステムと連携した省エネ対策

物流倉庫・定温倉庫・工場など、大規模な空調設備を有する施設では、近年の温暖化による猛暑の影響で、室外機の負荷が高まり、電気代が高くなり経営を圧迫している。空調設備の省エネルギー対策としては、散水式の室外機冷却装置によって運転効率を高める方法があり、この方法では熱交換能力が約5%向上し、消費電力を約10%削減することができる実証評価があるなど、省エネ効果が期待される。しかし、散布する水に水道水をそのまま使用すると、水道水に含まれる鉱物イオンが熱交換器のフィン部分に堆積し、やがてスケール(堆積物)が形成され熱交換効率が下がってしまう。そのため、スケールを未然に防止するための定期的な洗浄コストの課題や水道管引込み費用、新たに純水製造装置の導入費など、課題があった。このスケールが発生しないecowinミストシステムと併用することで省エネ効果を発揮する。ecowinミストシステムでecowinウォーターを室外機に噴霧し、蒸発熱の冷却効果による省エネでランニングコストの削減につながる。

「第24回 環境・設備デザイン賞」にて優秀賞を受賞

「環境・設備デザイン賞」は、一般社団法人建築設備綜合協会が主催し、建築設備分野における優れた環境・設備デザインを、「感性」「機能」「社会」「経済」の4つの視点から総合的に評価する顕彰制度。設備機器や設備システムと建築デザインの高度な融合を顕彰する国内有数のアワードとして知られ、建築・設備・都市デザイン分野の第一線で活躍する有識者による公開審査を経て受賞作品が選出される。「ecowin ウォーター」は「第24回 環境・設備デザイン賞」で「優秀賞」を受賞した。“電力に頼らない”という独自コンセプトに加え、防災・省エネ・循環型インフラとしての社会性や、災害時にも活用可能な自立型設備としての将来性が高く評価された。

電気代高騰に悩む公共施設や避難所などへの導入を推進

電気代高騰に悩む公共施設、避難所、各種工場、定温倉庫、冷凍冷蔵施設、医療・福祉施設などへの導入推進、夏場の省エネ・節電対策や空調デマンド抑制を支援する設備として展開を強化していく。また、CO₂排出量削減や環境情報開示への対応が求められる企業に対し、脱炭素経営やサステナビリティ推進に寄与する技術としての提案や、国内外展開、自治体・教育機関との連携を強化することで、持続可能でレジリエンス性の高い社会インフラ構築への貢献を目指す。雨水を再資源化し、電力を使わずに活用するこのシステムは、環境負荷低減と事業継続性を両立する新たなインフラ設備として注目されている。加えて、停電・断水時でも利用可能なため、防災拠点やBCP対策設備としても活用が期待されている。

相性のいい産業分野

生活・文化

日々の節電対策や、災害時の停電、水不足での活用

医療・福祉

緊急時の生活用水としての活用、避難場所での節電対策

製造業・メーカー

工場での節電対策や、製造の部品や設備の洗浄としても活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。 Top Image : © 株式会社 エコファクトリー

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