No.923

知財図鑑関連アワード受賞知財

2024.10.09

ベトベトせず食べられるペーパー状の納豆の考案

納豆ペーパーの開発

超自由研究アワード知財サムネ01

概要

(「納豆ペーパーの開発」は、小学生を対象に開催された「超・自由研究アワード2024」最優秀賞受賞作品です。)

「納豆ペーパー」は、納豆のネバネバを解消し、手軽に食べられる形にすることを目指して開発された新しい食品。日本だけでなく、他国の納豆の調査をもとにして考案された。ペーパー状に加工し、ご飯に巻いて食べることで手が汚れず、納豆嫌いな人でも挑戦しやすい。さらに、家庭でも作れて、発酵に使用する葉の種類を工夫することで納豆の風味が変化するなど、新しい味の発見も楽しめる。

納豆ペーパーは食品以外の用途、例えばフェイスパックや健康関連商品、肥料としても利用できる応用が提案されている。国を超えた食文化を融合させた調査と、納豆のベタベタする問題点を解決した研究として評価されている。

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Miroku-Kasamatu-(1) p09-10

Miroku-Kasamatu-(1) p03-p11

なにがすごいのか?

・「世界中でも食べて欲しい」願いから生まれた、身近な家庭でも作れる実証

・好物である納豆を起点に、調査・実験の末、各国の食文化の理解まで深められている点

・外国の食べ物をもとに開発された、食文化の輸入によって発達させた和食のメタファー

・実験した結果から新たなアイディアを生みだす発想力

・好き嫌いが分かれ、ベタベタする納豆の課題を解決する「納豆ペーパー」の発案と課題解決力

・フェイスパックや紙、料理の器や肥料に改良する提案と拡がり

(「超・自由研究アワード2024」審査員講評より)

なぜ生まれたのか?

「納豆ペーパー」が生まれた背景には、納豆はどうしたら手作りできるかの研究があった。葉っぱから納豆を作ってみる実験ののち、世界で納豆が食べられているか調べ、ミャンマーの乾燥納豆せんべい「トナオ」をつくってみたことから、薄いペーパー状の「納豆ペーパー」を発案。

妹が納豆を食べる時にいつも手を汚し、ベタベタになってしまっている問題点の解決策を、紙のように薄く伸ばし、ご飯に巻いて食べることができる形状にすることで解決する、体に良い「納豆ペーパー」の開発を思いついた。

なぜできるのか?

身近な植物にもいる枯れ草菌

納豆を手作りする実験を進めるうちに、納豆菌の元となる枯れ草菌は身近な植物にいることが判明。 どこの国でも体に良い納豆は作れる、という結論に結びついた。

世界の納豆の調査

体に良い納豆は日本以外の国でも食べられているのでは、という発見から、世界の納豆について調査。

ミャンマーの乾燥納豆せんべい「トナオ」をヒントにした考案

納豆のネバネバ部分を集めて、薄い納豆ペーパー作りに挑戦。透ける薄さの「納豆ペーパー」が完成した。乾燥していてベタベタせず、小さな子供も手を汚さず食べられる納豆ペーパー が完成した。

化粧品や健康関連アイテムとしての応用性

「納豆ペーパー 」は水に漬けるとネバネバが戻る性質から、納豆のフェイスパックを考案。保湿性の発見や、土に還る性質から、紙や料理の器、肥料としての活用も提案している。

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