No.1224

離型紙不要で、布にだけ密着する粘着フィルム

離型紙がいらない布用粘着フィルム

離型紙がいらない布用粘着フィルム

概要

「離型紙がいらない布用粘着フィルム」とは、東レ株式会社が開発した、粘着面に離型紙を使用せずに布製品にだけ密着する、新しい粘着フィルム。「貼るカイロ」やゼッケン、医療用パッドなど、布や衣服に貼り付けて使う粘着製品には、粘着面同士や他の箇所がくっつくことを防ぐために離型紙が挟まれている。離型紙は、使用時に必ずはがされ、その多くが廃棄物として焼却処分されている。東レが開発した粘着フィルムは、離型紙を使わずに粘着面を保護し、布製品にのみ密着することができる。未使用時のべたつきを防いでさらさらとした触感を保ち、一方で、布や不織布などの繊維製品では高い密着性が得られ、布にはしっかり貼りつき、平滑面には粘着しにくい選択的粘着性を実現した。今後、この新しい離型紙を必要としない粘着フィルムを、さまざまな用途へ提案していく。

なぜできるのか?

使用時に廃棄されゴミとなる離型紙を使わずに布に粘着できる粘着フィルム

一般的に、貼るカイロやゼッケン、医療用パッドなど、布や衣服に貼り付けて使う粘着製品には、粘着面同士や他の箇所がくっつくことを防ぐために離型紙が挟まれている。離型紙は、紙やフィルムの表面にシリコーンなどの離型処理を施した紙やフィルムで、粘着剤や樹脂が不要な場所に貼り付くのを防いでくれる。この離型紙は、使用時に必ずはがされ、その多くが廃棄物として焼却処分されている。こうした離型紙ゴミの削減や再資源化の在り方について、検討が進められており、製品の使い勝手を維持しながら、離型紙を必要としない粘着技術への関心が高まっている。今回、東レは、粘着面に離型紙を使用せずに布製品へだけ密着する、新しい粘着フィルムを開発した。

布の繊維に接着し、指や、金属などの平滑面での接着は阻害するミクロンサイズの凸構造を採用

フィルムの粘着面にはミクロンサイズの微細な凸構造を設けた立体的な表面構造を採用している。この凸構造が粘着層への不用意な接触を物理的に阻害することで、未使用時のべたつきを防ぐ。指や、金属やプラスチックなどの平滑面では、凸部分のみが当たるため粘着層に触れず、さらさらとした触感が保たれる。一方、布や不織布などの繊維製品では、繊維が凸構造の隙間に入り込んで粘着層と接触し、高い密着性が得られる。この凸構造を施すことで、離型紙がなくても粘着面がべたつかず、使用時には布にだけしっかり貼りつくことができる。

離型紙ゴミの削減や製品のコンパクト化を実現

東レによると、同社試算ではこの開発材を「貼るカイロ」に適用した場合、離型紙ゴミを年間約247トン削減できると見込まれている。また、既存品に比べ、発熱体を除いたカイロの総重量を約60%、厚みを約38%削減でき、製品のコンパクト化と環境負荷低減を同時に実現する。今後は、2030年度に売上高10億円を目指して、冷却シート、パッド型おむつ、母乳パッド等の日用品や、医療、アパレル分野への展開を図っていくとしている。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

ゴミの削減で環境に貢献

製造業・メーカー

布に選択的に密着する粘着フィルムの開発

医療・福祉

医療用粘着フィルムへの展開

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。 Top Image : © 東レ 株式会社

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