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2025.06.19
知財ニュース
Apple、次世代のUIデザイン「Liquid Glass」発表― “半透明の素材” で光を反射・屈折、操作に応じて変化

米Appleは、新たなユーザーインターフェースデザイン「Liquid Glass(リキッドガラス)」を公開した。同社が現地時間2025年6月9日から13日に開催した、開発者向けイベント「WWDC25」で発表。iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVの次世代OS「26」に搭載予定で、5種類のOSデザインを刷新する。ソフトウェアデザインの大規模なアップデートは約10年ぷりとなり、「これまでで最も広範囲に及ぶ」という。
「Liquid Glass」はその名が表す通り、流動性を持つ半透明なガラスのような素材を用いたインターフェースだ。プラットフォーム全体に導入する予定で、ホーム画面やロック画面、Safari、カメラ、FaceTime、Apple Musicなどが対象。ボタンやアイコン、通知、下部のナビゲーション(タブバー)、メディアコントロールといったインターフェースを刷新する。新しい素材は、現実世界のガラスのように周囲の色になじみながら光を反射・屈折させ、光や影なども表現できる。
高いデザイン性に加え、コンテンツやユーザーの操作に応じて滑らかに変化するのも特徴だ。例えば、iPhoneで画面をスクロールするとタブバーが縮小し、コンテンツとの重なりを減らしてアクセスしやすくする。操作が必要なシーンでは、タブバーが拡大したり、文字表示が大きくなったりと、より直感的な操作を促す。テキストに重ねて拡大鏡のようにも利用できる。
「Liquid Glass」の構築にあたっては、visionOSが持つ「深度と次元」からインスピレーションを得たという。画面の構成要素をレイヤー構造で配置し、奥行きを持たせて構成。独自開発したAppleシリコン(プロセッサー)やグラフィック技術を組み合わせ、ガラスのような質感と流動性を持つインターフェースを実現した。
新デザインの展開に合わせて、開発者向けの「Icon Composer」も提供する。「SwiftUI」「UIKit」「AppKit」を利用している開発者向けのサービスで、APIによって「Liquid Glass」を用いたアイコンを作成できる。
「Liquid Glass」を搭載したiOS 26などの次世代OSは、2025年秋のリリース予定。滑らかなインターフェースによる新たなデバイス体験が待たれる。
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Apple「WWDC25」公式サイト
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Top Image : © Apple Inc.