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2023.12.12

知財ニュース

イーロン・マスクの脳埋め込みチップスタートアップ・Neuralink(ニューラリンク)が新たに4300万ドルを調達

neuralink

イーロン・マスク氏が2016年に創設したNeuralink(ニューラリンク)は、8月初旬に追加で4300万ドルのベンチャーキャピタルの調達に成功。前回の2億8000万ドルを3億2300万ドルに増やしたことが、同社が米証券取引書委員会(SEC)に提出した書類から明らかになった。

Neuralinkは、脳埋め込みチップの開発を推進する企業。チップは超薄型の糸のような形状を埋め込むことができ、従来のインプラントとは異なりワイヤレス化が可能なため、より多くの電極を埋め込めるのが特徴だ。

neuralink implant

同社は、2022年5月にFDAの調査装置例外に基づく調査対象デバイスの下で最初の人間の試験を開始。しかし、その後、医師委員会(PCRM)による主張で、研究パートナーのUCデービスがサルへの虐待を加えたという主張をきっかけに、アメリカ合衆国農務省(USDA)による動物福祉違反の連邦捜査を受けるなど、倫理的な研究手法が問題となってきた。

また、2022年1月には、匿名の元従業員が、マスク氏が幹部の信頼を失っていることや、2020年8月時点で8人の創業科学者のうち5人が会社を去ったことなどを告発。同社の「責任転嫁と恐怖の文化」と表現され、問題となってきた。

なお、同社は最近の評価額を公表していないものの、ロイターは2023年6月には、非公開の株式取引により同社の評価額が約50億ドルと報じている。話題が尽きない同社だが、今後の展開に期待したい。

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米証券取引書委員会(SEC)への提出書類

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Top Image : © Neuralink

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