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2024.12.23
知財ニュース
JR東日本、Suicaの機能を大幅アップグレードへ―「あと払い」決済、「ウォークスルー改札」などの実現へ
JR東日本は、今後10年間にてSuicaの機能を順次グレードアップし、Suicaを「移動のデバイス」という今までの当たり前を超え、交通、決済だけでなく、様々な生活シーンに利用できる「生活のデバイス」に生まれ変わると発表した。今後10年以内にはチケットやSFなどのバリューをセンターサーバーで管理するシームレスで便利なサービスの提供を目指すとのこと。
2028年度には、新しくリリースされる「Suica アプリ(仮称)」においてセンターサーバー管理型の鉄道チケットの提供を開始する。たとえば、毎月3,000円を払うことにより、自宅最寄り駅である大宮駅を起点として、どの駅でも運賃が50%割引となるサブスク商品(割引上限あり)、鉄道の日などの記念日、駅ビルやイベントでの買い物により配信される鉄道クーポンなどが提供される予定だ。
このセンターサーバー化によりタッチせずに改札を通過できる「ウォークスルー改札」、改札機がない駅での「位置情報等を活用した改札」を実現するとしている。将来的にはこの「位置情報等を活用した改札」の実現により、JR東日本の全線でSuicaの利用が可能になるという。
また、現在広く利用されているSF機能に加えて、あらかじめユーザーのクレジットカードや銀行口座と紐づけて、「あと払い」の実現を目指すとのこと。
2026年秋頃には、モバイルSuicaアプリを大幅にリニューアルし、簡単&便利なタッチ決済に加え、Suicaの上限額(2万円)を超える買い物にも利用できるコード決済機能、電子マネーを送る&受け取る機能、お得に買いものができるクーポン機能、地域限定のバリューの発行など、様々な機能が追加される予定だ。
JR東日本は現在、自治体と同社のMaaSの連携にて実現している移動と地域のDXモデルを地域連携ICカードとの統合により拡張し、各地域に根差した「ご当地 Suica(仮称)」を創るのだという。このサービスは「Suica アプリ(仮称)」をベースとし、マイナンバーカードと連携し、地域内の生活コンテンツ、サービス、商品券や給付金の受け取りや行政サービスの利用を実現。これによりあらゆる生活シーンをDXし、地域がかかえる課題を解決していくとしている。
2025年3月には訪日外国人向けの「Welcome Suica Mobile」(iOS)サービスを開始する。 日本入国前にアプリのダウンロードやSFチャージを可能とし、成田及び羽田空港からJR線や東京モノレール他の鉄道各線をシームレスに利用することができる。将来的にはセンターサーバー化により海外からの利用者にもウォークスルー改札や同社全線でのSuicaの利用が当たり前にできるようにするとのことだ。
Top Image : © 東日本旅客鉄道 株式会社