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2024.11.08
知財ニュース
富士通と帝京大、体内をバーチャルで視覚化するUXプラットフォームを発表―AIで生活習慣改善
富士通と帝京大学 冲永総合研究所は、XRや空間コンピューティング、生成AIを活用し、自身の体内の状態を深く理解することで生活習慣改善を促進するUXプラットフォームの共同研究を開始したことを発表した。
同研究では、健康診断で生活習慣の改善が必要とされた人が、受診後にXRと空間コンピューティングを用いて自身の体内の状態をバーチャルで空間上に再現し、視覚的に理解することで、健康意識の向上や行動変容に繋がるかを検証する。
具体的には、健康診断の結果を基に、体内の様子をバーチャル空間上に再現し、保健師との面談を実施。さらに、生成AIを活用したAIヘルスケアサポーターのアバターが、生活習慣改善に向けた助言などのフォローアップを行い、ヘルスリテラシー向上への影響も検証するという。
生活習慣病増加の背景を受け、厚生労働省は健康保険組合に対してデータヘルス計画の策定・実施を義務付けている。しかし、生活習慣の改善には、個人の意識改革と行動変容が不可欠。
富士通と帝大冲永総研は、2022年10月より、XRや空間コンピューティング、生成AIを用いた医師と患者のコミュニケーションギャップ解消を目指す研究を行っており、その成果として、患者の生体データから生成したバーチャル体内モデルや、AIメディカルサポーターのアバターなどの技術を活用し、今回、生活習慣改善をサポートするUXプラットフォームの共同研究へと発展させたという。
共同研究期間は2024年10月18日から2025年1月31日まで。富士通は、デザインリサーチや、生活習慣改善意識の阻害要因の特定、自律的な生活習慣改善のUX/UIシナリオの作成、プロトタイプの開発サポートなどを担当。帝京大学冲永総合研究所は、医学的専門知識の提供や医療領域における可視化ノウハウの共有、保有する生体臓器データを用いた初期プロトタイプ開発などを担う。
両者は、この研究成果を基に、デジタル技術を活用した健康指導の社会実装を進め、人々の健康増進と社会課題の解決に貢献していくことを目指していく、と展望を述べている。
Top Image : © 富士通 株式会社