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2025.01.27
知財ニュース
JR東日本、雪を融かして電力を生む「積雪発電」の融雪システムの実証実験開始

JR東日本スタートアップ株式会社、JR東日本青森商業開発、株式会社フォルテは、JR青森駅近くの商業施設A-FACTORYにて、積雪発電による持続可能な融雪システムの実証実験を実施すると発表した。本プロジェクトは、積雪発電の世界初の社会実装を実現し、社会課題を解決する取組みだ。
「積雪発電」とは、スターリングエンジンを活用した温度差発電を豪雪地域の生活課題である「積雪」に用いることで、雪を融かし発電を行う仕組みだ。温度差を生む熱源と冷媒により最大約1.0kWの発電を可能にする。
他の再生エネルギーと比べ、エンジン自体が小さく小規模にも関わらず効率的な発電ができる。積雪発電では冷媒を冷やすのに雪を用いることで、雪を溶かしながら発電ができるため、従来の化石燃料(電気や灯油等)を用いて雪を溶かしていた労力やコストを削減し、逆に電気を生み出すことに大きな利点があるのだという。
JR東日本青森商業開発が運営する商業施設A-FACTORYで今冬、積雪発電を用いた敷地内の融雪を行い、従来人手やコストを要していた除雪に係る課題の解決に挑戦する。
この積雪発電によって生まれた電力は、2024年12月13日(金)から2025年2月2日(日)までの間に開催されるイルミネーションイベント「あおもり灯りと紙のページェント」にて、青森を彩る灯篭の一部の電力として活用し、地域の魅力発信に貢献する。
さらには、A-FACTORYから生み出たダンボールやりんご搾りかすなどの廃棄物から、積雪発電の熱源となるペレットを生成することで、地域で資源を循環させる持続可能モデルの可能性について検証する。これまでも積雪発電の実証実験は他箇所で実施していたが、実際の社会課題の解決を目的として生活空間に社会実装するのは今回の取組みが初の試みだ。
Top Image : © JR東日本スタートアップ 株式会社