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2024.12.20

レポート | 知財ハンターがやってみた

電気の力で塩味を増強? うま味増強スプーン「エレキソルト」で減塩ラーメンを食してみた

明治大学 宮下芳明研究室, キリンホールディングス 株式会社

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食事。それはとてもおいしく,日々の小さな幸せです。しかし,普段の食事では塩分は過剰摂取しがちになっているそう。WHO(世界保健機関)の推奨する1日の塩分摂取量は5g未満に対し、「国民・栄養調査」によると、日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は男性は11g、女性は9.3gを摂っていると言われています。

この塩分過剰摂取を防ぐデバイスとして注目されているのが、うま味増強デバイス「エレキソルトスプーン」です。「エレキソルトスプーン」は、キリンホールディングスと明治大学 総合数理学部 宮下芳明研究室の開発した食器型デバイスです。電流波形技術が搭載され、人体に影響しないごく微弱な電流により、減塩食を食べたときに感じる塩味が約1.5倍程度に増強される仕組み。減塩食品でも満足のいく味わいを実現します。

今回、博多発祥のラーメン店「一風堂」浜松町スタンドとのコラボレーションで、12月13日、14日、21日、22日の4日間限定で、減塩ラーメンを「エレキソルト スプーン」を用いて塩・うま味を増強させながら楽しく・おいしく食べられるイベントを開催しているというので、実際に現地に赴いて体験してきました。

減塩ラーメンが「エレキソルトスプーン」の力でどのように変化し、通常のラーメンにどれだけ近い味わいを再現できるのか。その仕組みや秘密に迫りながら、実際に体験してきた当日の様子をレポートします。

ワクワクしながら店に到着

浜松町駅から徒歩約10分で「一風堂浜松町スタンド」に到着しました。

PXL 20241213 080940648.MP 一風堂浜松町スタンド

この日はイベント開催のため、通常営業を一時停止しているとのこと。一風堂がこのイベントにかける本気度を感じさせます。事前予約制ということもあり、店内の席の埋まり具合は程よく、到着後すぐにスムーズに入店できました。

PXL 20241213 081048945-2 お店には、このイベントのために貸切営業中の張り紙が。

案内された席には、「エレキソルトスプーン」の説明書、アンケート用紙、そして実際に使用するエレキソルトスプーンが準備されています。ラーメンが提供される前にスタッフの方による丁寧な説明があり、さらに説明書も用意されているため、予備知識がなくても安心してスプーンを使うことができました。

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スタッフさんに言われたこと

・エレキソルトスプーンの電源を入れボタンを押すと4段階で出力を可変可能

・実際に電流が流れると白色に光る

・スプーンの持ち手の裏に伝導部があるのでそこを指先全体で覆うと味の変化が感じやすい

・電流は0.5秒ほどかけて流れるため,普段よりもゆっくりと食べるといい

・手が乾燥していると効果を感じづらいので、その際はお手拭きで指先を湿らせるとよい

そうしているうちに、一風堂の定番メニュー「白丸元味」をベースに塩分を30%カットした特製ラーメンが運ばれてきました。早速、いただきます!

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まずは「エレキソルトスプーン」の電源を入れずに一口。

「おいしい…」

まろやかでクリーミーな豚骨スープの味わいがしっかりと感じられ、減塩とは思えない仕上がりです。

次に「エレキソルトスプーン」の電源をオンにしてスープをひと口飲むと…

「はっ…!」

スープの味がグッと濃くなり、パンチの効いた深みが加わりました。ただ塩気が増したというよりも、うま味成分が強調されたような感覚です。この変化には驚かされました。

続いて麺をいただきます。「エレキソルトスプーン」には2つの使い方があり、通常のスプーンとして使用する方法と、スプーンの先端をスープに浸したまま麺をすくい上げて食べる方法があります。
(※ランプが白色に点灯すれば、電流が流れて効果が出ているサイン)

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後者の方法で麺をすすってみると、スープの電流効果が麺に伝わり、なんとも刺激的な味わいに。指先の皮膚が薄い私は、スプーンを持つ手にかすかな微弱電流感を感じるほどでした。この感覚もまた新鮮です。

試行錯誤を繰り返しながら食べ進める中で、最も刺激的な食べ方も発見しました。それは、スプーンでスープをすくい、チャーシューを繊維方向にほぐしてスープに浸す方法。

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この方法ではスープとチャーシューの繊維が電流を通し合い、さらに独特の味わいが楽しめました。(ただし、この方法は公式に推奨されているものではないかもしれませんが…)

最後はスプーンをスープに浸しながら、余すところなくスープを堪能。

ごちそうさまでした!

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エレキソルトで減塩ラーメンを食してみて

今回は減塩仕様の「白丸元味」をいただき、電流を使った味の変化を体験しました。この技術によって、スープの味わいが個人の好みに合わせて調整できるのは非常に魅力的です。濃い味が好きな人はスプーンを使えばよりパンチのある味わいを楽しめ、薄味が好みの人はそのままで満足できる自由度の高さを感じました。スープ自体もまろやかで、減塩を感じさせない完成度でした。

中でも最も印象的だったのは、「味を可変できる」という点です。1つの料理が固定された味だけでなく、自分好みに変化を加えられることで、食事に新たな楽しみが生まれました。この感覚は従来の食事では得られなかったもので、とても新鮮でした。

さらに、プロトタイプの段階では専用の器が必要だったところ、スプーン型デバイスに進化したことで手軽さも実現されています。スプーンをスープに浸すだけで簡単に味を変えられるのは非常に便利で、器の代替としても機能するユニークなアイデアだと感じました。

減塩食品の基本である薄味をベースにしながら、ユーザーがデバイスで味を自由にカスタマイズできる点は、多様な人々が楽しめる可能性を秘めています。現在はまだ予約・抽選販売で高価なデバイスですが、市場に普及して価格も落ち着いていけば、「味のグローバル化」や新しい食体験の共有につながる可能性を感じます。未来の食文化に一石を投じるこの技術のさらなる展開に期待が膨らみました。

「一風堂」浜松町スタンドでのコラボレーション体験イベントは12月13日、14日、21日、22日の4日間限定。価格はラーメン一杯分の料金込みで1,000円(税込・事前予約制)。気になる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

取材・文:小栁 碧羽(CHIZAI YOUTH)


【キリン エレキソルト×一風堂】

12月13日(金)・12月14日(土)・12月21日(土)・12月22日(日)

<時間>
①15:00-15:30 ②15:30-16:00 ③16:00-16:30
④16:30-17:00 ⑤17:00-17:30 ⑥17:30-18:00

<料金>
おひとり様 1,000円(税込) (事前のご予約と決済が必要)

※「エレキソルト スプーン」は含まれません

申込サイト https://ippudo-kirin2412.peatix.com

<提供内容>

減塩白丸元味(通常トッピング)

販売店舗 一風堂 浜松町スタンド(東京都港区浜松町1-27-6 マストライフ大門・浜松町1F)

【知財ハンターに取材を依頼する】

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