ビーコン技術を活用した位置情報検知の仕組み

子どもや高齢者が携帯する専用の見守り端末が発するBLE（Bluetooth Low Energy）ビーコン信号を、「見守りスポット」（街中に設置した小型基地局）や「見守り人」（専用アプリをインストールしたスマートフォンを持つ人）が受信することで、位置情報や通過時刻を記録、保護者へ通知する仕組みを確立した。これにより広域検知網の整備コストを大幅に削減でき、従来のGPSなどの見守りサービスと比較して、利用料金を低く設定することができた。特に、ビーコンの電波を受信する基地局は電源コンセントに差すだけで設置できるため、システムの拡大も容易である。このサービスにおいて利用する位置情報通知システムに関するビジネスモデル特許（特許第5891468号）を取得している。

IoT×地域の協力で実現する見守りネットワーク

「見守り人」や「見守りタクシー」が、「動く見守りスポット」として機能し、固定の基地局と合わせて多層的な検知網を形成する。「見守り人」や「見守りタクシー」と子供や高齢者がすれ違うだけで、位置情報・通過時刻が保護者に伝わる仕組みになっている。「見守り人」は、一般の人が専用のアプリをインストールするだけで、いつもの通勤や散歩が、地域の安全に貢献する見守り活動へと変わる。「見守りタクシー」は、常時街中を走行するタクシーを活用することで、より広範な見守りネットワークを実現した。固定と移動の両面から構成されるこのネットワークにより、学校や駅などの特定地点だけでなく、子どもや高齢者の行動範囲全体をカバーすることに成功した。

使いやすさと利便性を追求した端末設計

見守り端末はお守り型、ホイッスル型、小型タイプなどさまざまな形状が用意されている。靴や時計に取り付けられるタイプもあり、子どもが持ち歩きやすい工夫が施されている。また、従来のGPS端末と比べて低コストかつ電池寿命が約1年と長く、頻繁な充電も不要になった。さらに「otta.g」では、GPS機能、防犯ブザー機能に加えて、ボイスメッセージ機能や熱中症アラート機能が追加され、今後のデバイスの進化にも期待が寄せられている。