No. 197 ウェディングドレスにも使える、世界一細いステンレス繊維の織物

Ultra-fine Stainless Steel Wire Mesh(アサダメッシュ)

本知財は、極細線金属を織って作られた、布のようにしなやかな金属織物。長さ・強さが最適化された、わずか10マイクロメートルの精細なワイヤーが何万本も織り込まれて作られる。主にスクリーン印刷やフィルターに活用され、メッシュの開口率・厚み・強度のコントロールによって、様々な特徴が自在に生み出される。たとえば、折り紙のように折れるもの、光を美しく反射するカーテンのようなもの、生地のように縫製できるものなどである。その汎用性の高さから、アートやファッションといった多様な分野への活用が期待される。

本知財で作られた衣服のファッションショー

金属とは思えない軽やかさと柔らかさ

なぜできるのか?

江戸時代から継承されている織り技術

江戸~明治時代にかけて、河内地方(現在の大阪府東部)では河内木綿という綿作が盛んに行われていた。紡績機械の出現や外国綿の輸入により、明治以降河内木綿は徐々に衰退していったが、河内地方に残された「機織り技術」と「木製の手織り織機」を利用して生まれたのが金網産業だった。戦後、急激に発達した金網産業は地場産業として定着し、その繊細な技術を活かして超高精細メッシュに特化し、世界で最も細かいメッシュを次々に開発している。

極細に加工されたワイヤー

直径5ミリの母材が、ダイヤモンドダイスという工具によって10マイクロメートル(髪の毛の約1/6)近くまで細くされる。数マイクロメートルの異物の混入が原因で断線するため、ワイヤーの純度は極限まで高められる必要がある。手作業での緻密な工程も経て、何万本ものワイヤーを使ってメッシュが製網される。このとき、メッシュの開口率を調整することで透明度の調整もできる。

均一な薄さを生むカレンダー加工

タテ糸とヨコ糸で織られる織物は、微小な凸凹を伴う三次元構造をしているが、『カレンダー加工』(熱ロールと樹脂ロールでプレスする加工)を適用すれば、平滑で光沢感のある仕上がりにできる。厚みの細かい調整も可能で、1マイクロメートル単位の精度で、元の半分程度にまで薄くできる。

相性のいい分野

インテリア
透明性と金属であることを活かした光を拡散するカーテン
都市開発
街の景観を崩さないフェンスやスクリーン
ファッション
導電インクでコイルパターンを積層して、太陽光発電をする衣服
ファッション
磁力で浮かせたりなびかせたりできるウェディングドレス

知財情報

主な知財ホルダー:アサダメッシュ株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

加藤 なつみ KatoNatsumi
Assistant Producer / Konel Inc.

群馬県富岡市出身。信州大学感性工学科主席卒業、イノベーション教育プログラムi.school修了生。人が持っている感性や想像力を引き出すものづくりを志し、プロダクトからサービスデザインまで、幅広く仲間と活動中。日本文化や美意識、感覚拡張、自然界の仕組みに高い関心がある。


知財ライティング: 都淳朗