No.209
2020.11.27
デジタルで再構築される、美しい軌跡を描く“紋”
紋曼荼羅
概要
「紋曼荼羅」は、“家紋”の構成要素である円と線の軌跡を可視化する技法およびそのアート作品。日本に古くから存在する家紋だが、手描きの際に用いる竹製のコンパス(分廻し)にはサイズの限界があった。「紋曼荼羅」は制作にデジタルツールを導入することでこの限界を克服し、表現を拡張する。家の紋章という役割である家紋をアート作品へと昇華させうる温故知新の知財である。
実現事例 実現プロジェクト
紋照-mon terrace-
紋の新たな魅力を引き出すインスタレーション作品。紋曼荼羅の技法によって「麒麟曼荼羅」などのさまざまな紋が描き出される過程を、アートチーム・MESが手がけるレーザーとプロジェクションで演出した。
なぜできるのか?
伝統技法に取り入れられる「デジタルツール」
紋曼荼羅の大きな特徴は、従来の家紋制作ツールであった竹製コンパスをデジタルツール「Adobe Illustrator」に切り替えて表現領域を大きく広げたことである。Illustratorの円ツールをうまく駆使することで、多重になっていく円の軌跡から生まれる曲線美を構築した。伝統技法を現代に合わせてアップデートさせた好例といえる。
デジタルによって広がる応用可能性
紋曼荼羅の技法を使えば、数千の円を組み合わせるなど、これまで表現の難しかった複雑な形を描くことができる。現代的なモチーフとも相性が良いことから、一流デザイナーやホテル、メーカーとの共創作品も多く生まれており、プロダクトデザイン・空間デザイン・ファッションデザインといった幅広い異業種とのコラボレーションという応用可能性を秘めた知財として今後の発展が期待される。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
円の組み合わせで世界を構築していく「曼荼羅マインクラフト」
- 教育・人材
コンパスを使って円アートを描く授業「算数×図工」
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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