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2023.10.26

知財ニュース

セコムが日本初、画像AI搭載の防犯用「セコムドローンXX」開発─自動追跡撮影、自動離着陸バッテリー交換

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セコム株式会社は、日本初(※)となる、AIを活用して巡回・侵入監視を行うセキュリティドローン「セコムドローンXX(ダブルエックス)」を開発したことを10月12日、発表した。2024年春に発売を予定している。
(※2023年10月現在 セコム調べ)

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セコムは2015年12月に、敷地内への侵入があった際に不審者を自律飛行で追跡し、その映像をセコムのコントロールセンターに送信して迅速・的確な対応につなげる、民間防犯用として世界初の「セコムドローン」を実用化。

今回発表された「セコムドローンXX」は機能をさらに進化させ、画像AIを搭載した多彩な機能が特徴で、人や車両を検知し、監視員が不審者・不審車両と判断した不審者や物体を自動で追跡・撮影できる。

具体的には、あらかじめ決められたルートを飛行し、巡回中に侵入者を発見した場合に対象者を指定して自動追跡する「巡回監視」や、外周センサーが敷地内への侵入を検知するとドローンが接近し、指定した対象者を自動で追跡するとともに映像をリアルタイムで確認できる「侵入監視」がある。

また、監視カメラとの連動も可能で、防災センター等で監視カメラ上に不審者を発見した場合、対象者を指定してドローンに急行・追跡させることも可能だ。

さらに、新機種は飛行時間と速度が大幅に向上。従来と比較して飛行時間は約2倍、最高速度は約4倍になり、警備範囲は従来の約50倍となる、最大半径約6kmのエリアまで拡大。セコムグループで地理空間情報サービス事業を担う㈱パスコが提供する3次元立体地図を活用することで、斜面や建物が並んでいる複雑な地形にも対応する。

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ほかに、耐風性能が向上し赤外線カメラも搭載するため夜間や悪天候下でも利用できるようになったほか、データ通信にキャリアLTE通信等を使用することでWi-Fi通信設備の設置が不要になったことで低コストで導入できるようになった。

ドローンの格納、離着陸、バッテリーの交換と充電、セルフチェックが自動で行われるという。これまでは再飛行まで約2時間の充電時間を要していたが、自動でバッテリーを交換する方式としたことにより約3分で再飛行が可能になった。

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国内の深刻な人手不足により、省人化と効率化を図るためのロボットとAIの利用が加速している。政府も小型無人機による「空の産業革命」を推進しており、ドローンは点検、測量、農業、物流など様々な分野で利用されてきた。

「セコムドローンXX」は防衛装備庁の新技術短期実証事業「ドローン等を用いた監視・検査の自動化・効率化」で実証した内容をベースにしており、航空自衛隊、海上自衛隊の防衛施設向け監視システムの現地実証試験も進行しているとのこと。

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Top Image : © セコム 株式会社

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