No.366
2021.07.09
音による新たな空間体験を作るMRサービス
oto rea(オトリア)
概要
oto rea(オトリア)とは、音声情報を空間に配置することができるMR(Mixed Reality)サービスである。ユーザーがセンサー機能付きヘッドフォンをつけて空間を回遊すると、音声情報が埋め込まれた空間情報をタブレット端末が取得し、ヘッドフォンから指定の音声情報を体験することできる。また、ユーザーの体の動きや顔の向きにあわせた音の伝達や演出も可能。oto reaは既存の施設に物理的な施工を加えずに導入することができ、個人利用・非接触型の体験であることから、ニューノーマルな社会におけるリアルな空間体験での付加価値向上が期待される。
なぜできるのか?
MR音声プラットフォームを展示演出用に活用
oto reaは同サービスの共同運営者である株式会社 GATARIが開発する「Auris(オーリス)」というMRプラットフォームを利用。空間のスキャンや空間編集(トリガーとアクションの配置)等をスマートフォンのアプリ上でワンストップで行うこのシステムを展示演出に特化して活用することで、新たな空間体験を作り出すことにつながった。
非接触で空間体験が可能
oto reaでは空間内を歩き「展示物の目の前に立つ」「注視する」などの体験に合わせて自然に音が配信されるため、ユーザーは展示物に触れたり、ボタンを押すなど操作の必要が不要。
没入感のあるストーリー体験
ユーザーの正確な現在地をタブレット端末で画像認識し、ヘッドフォンから流れる音を個別で制御。ユーザーの動作・位置に応じた音声コンテンツを提供し、聴力に応じたボリューム調整などもできるパーソナライズ仕様であり周囲の音が混ざり合う心配もない。またジャイロセンサーと立体音響が搭載されているため、より臨場感のある体験ができる。
工事が不要
画像認識で音を配置するので、ビーコンなどの位置測位センサーの設置や音響再生機材の導入といった、設置工事や取付費用が不要。手軽に導入でき、工事の配慮が必要な重要文化財などにも適している。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
鑑賞者の行動に合わせて展示品の説明内容が変わる展覧会
- 医療・福祉
視覚の不自由な人への駅や公道でのガイド音声や注意喚起
- 旅行・観光
昔の生活音や環境音を楽しみながら見学できる文化遺産ツアー
- 流通・モビリティ
乗客の立ち位置や人流によってパーソナライズされた駅構内のスムーズな音声案内
- メディア・コミュニケーション
街で立っている人・座っている人など目線よって訴求を変えた広告
- 食品・飲料
メニューの前に立つと料理の詳細や産地などを音声で教えてくれるバイキング
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image :©Nomura Open Innovation LAB