News
2024.09.06
知財ニュース
【Forbes JAPAN Xtrepreneur AWARD 2024】受賞発表ーグランプリは、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」
グローバルビジネス誌Forbes JAPANは、レガシーを掛け合わせ、未来を実装する共創プロジェクトを評価するアワード「Forbes JAPAN Xtrepreneur AWARD 2024」(クロストレプレナーアワード2024)の各受賞プロジェクトを発表した。グランプリは『心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の共同開発』が受賞した。
本アワードは、複数の企業が接続し、大企業のレガシー(資産)を使うことで、新たな価値を生み出し、あらゆる社会課題を解決するプロジェクトに光をあてている。「日本発・グローバル」「インパクト」「意外性」を基準に、特に優れたプロジェクトを選出。2回目となる2024年は、応募と推薦から100以上のエントリーがあり、社会課題の解決にクローズアップした6カテゴリからグランプリと5部門の受賞を発表した。
受賞プロジェクト
◾️グランプリ(兼メディカルイノベーション部門)
心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の共同開発
(福井経編興業/帝人/大阪医科薬科大学)
先天性心疾患治療の課題に対し、大阪医科薬科大学と福井経編興業、帝人が子供の成長に合わせて伸張する心・血管修復パッチを共同開発した。吸収性糸と非吸収性糸で編んだ生地を架橋ゼラチンでコーティングしており、体内に埋植後、自己組織化しつつ吸収性糸が吸収されることで伸張可能な構造に変化する。小児心臓血管外科医である根本医師のアイディアを基に、福井経編興業の経編技術と帝人の高分子技術をかけ合わせることで実現した。
◾️ダイバーシティ&インクルージョン部門
認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会へ。電話×AIによる「脳の健康チェック」サービス
(NTTコミュニケーションズ/日本テクトシステムズ)
高齢化が急速に進むなか、2025年には高齢者の4人に1人が認知症・軽度認知障害(MCI)になると予測されており、その予防や発症後のケアなどへの意識が高まっている。NTT Comと日本テクトシステムズは「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会へ」をコンセプトに、通話によりAIが脳の健康状態を確認するサービスを開発。50万コールを超えるトライアルの反響を受け、同技術を活用した法人サービス「脳の健康チェック」も開始。
◾️サーキュラーエコノミー部門
廃食用油を原料とした国産SAFの大規模生産に向けた協業
(レボインターナショナル/コスモ石油/日揮ホールディングス)
レボインターナショナル、日揮ホールディングス、コスモ石油の3社で「合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY」を設立し、国内初となる廃食用油を原料とした国産SAF生産に向け取り組む。レボインターナショナルが原料の廃食用油を調達し、日揮ホールディングスが事業全体のサプライチェーン構築を主導する。そして、SAF生産及び販売をコスモエネルギーグループが担う。大規模生産実証設備をコスモ石油堺製油所内に建設し、24年内に完成を目指し、大阪・関西万博が開催される25年にSAFを供給開始予定。
◾️ローカルインパクト部門
徳島県上勝町発、都市部での廃棄物再利用率100%に向けた取り組み「reRise TOKYO」
(三菱地所/スペック/徳島県上勝町)
2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った自治体である徳島県上勝町と、同自治体において資源循環の取組みを実践する地元バイオベンチャーのスペック、三菱地所が3社共同で進める、都市部での廃棄物再利用率100%を目指す「reRise」は、有楽町及びTOKYO TORCH(東京・常盤橋)での資源循環システムを構築する革新的な取り組みだ。
◾️地域活性/モビリティ部門
「沿線まるごとホテル」プロジェクト
(東日本旅客鉄道/さとゆめ)
JR東日本、さとゆめが共同出資会社「沿線まるごと」を設立し、沿線をまるごと楽しめるホテルのようなサービスを展開。無人駅などの駅舎をホテルのフロントやロビーとし、沿線集落の空き家をホテルの客室へと改修し、さらに電動トゥクトゥクといったモビリティも配備し、地域資源を有効活用して沿線の魅力を引き出す事例だ。
◾️GX/カーボンニュートラル部門
CCU活用による環境保全型ハイブリッド農業「藻類Xアクアポニックス」プロジェクト
(熊谷組/ひらやま/ヤンマーアグリジャパン/三菱化工機アドバンス)
藻類・水産業・農業各社のアセット連携により、熊谷組が発見したバイオマス生産性の高い独自微細藻類の培養と完全循環型による陸上養殖と水耕栽培の共生環境を形成したアクアポニックスを掛け合わせた。節水・水質改善や佐賀市清掃工場内の日本初CCUプラントのCO2を藻類培養に利用しカーボンニュートラルを進める。それとともに、藻類を添加した魚餌ならびに培養液の一部を液肥として用い、産生物に対する有価な栄養素や生長促進効果などのイノベーションにより世界的な食料生産危機の解決や新事業ビジネス収益モデルの構築に取り組む。
アワード概要
【応募対象】
・エンタープライズ・大企業の関わっているプロジェクト
・業界を超えた2社以上がアセットを持ち寄っているプロジェクト
・社会課題へインパクトをもたらすことのできるプロジェクト
・日本独自かつ、世界に発信できるプロジェクト
【審査基準】日本発・グローバル、インパクト、意外性
【審査員】 (順不同)片山 幹雄 Kconcept代表取締役社長 東京大学生産技術研究所 研究顧問/鈴木 絵里子 Kind Capital ファウンダー兼代表取締役/川村 真司 Whatever Co., CCO /Open Medical Lab, CCO/巽 達志 住友商事 執行役員 CDO・CIO DX・ITグループ長/石川 俊祐 KESIKI代表取締役CDO/ウッドユウライクカンパニー代表取締役/多摩美術大学TCL特任教授/旭川市最高デザイン責任者(CDP)/藤吉 雅春 Forbes JAPAN編集長
【アドバイザリーボード】 (順不同)I-OPEN PROJECT/ソーシャル・エックス/eiicon/G-STARTUP/Konel/station/出島組織サミット
Top Image : © リンクタイズ 株式会社