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2023.03.10

インタビュー | 大野 琢也

宇宙に「重力」をつくる─鹿島建設×京大が挑む未来の宇宙建築とは

鹿島建設 株式会社

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目次

テクノロジーの進化により、宇宙空間がかつてないほど身近に感じられるようになった現代。人類が宇宙空間に「滞在」する時代から、さらに長期を見据えた「生活」をする時代へと移行しようとしている。

宇宙での定住が可能性を増すにつれ、問題視されている課題の一つが「重力」だ。無重力や、月や火星などの低重力の環境下において、長期間の生活は筋肉の衰えや骨密度の低下、妊娠・出産や子どもの発育にも悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。

月や火星で人類の衣食住を可能にし、社会システムを構築するためには、どのような観点や技術が重要になるのか。京都大学(大学院総合生存学館 SIC 有人宇宙学研究センター)と共創し、人工重力施設「ルナグラス・マーズグラス」を構想する、鹿島建設・大野 琢也氏に話を聞いた。

大野 琢也

大野 琢也

鹿島建設株式会社

1991年神戸大学工学部建築学科卒業。1993年神戸大学大学院工学研究科建築学専攻修士。1993年鹿島建設入社、設計・エンジニアリング総事業本部。1997年より関西支店建築設計部。2020年より京都大学大学院総合生存学館非常勤講師。2022年より鹿島建設技術研究所兼務。子供のころより宇宙居住に興味持ち、基礎として建築設計を学ぶ。宇宙居住の問題点は、低重力により地球に戻れない体になること、誕生や成長が正常に行われないこと、であると考え、その対策として遠心力を利用した人工重力施設が役に立つかもしれないと思い、仕事とは別に研究を重ねてきた。書籍、雑誌、講演などで独自の人工重力施設の建築的手法を世に問いかけている。

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